易の処世法 革卦~旅卦 |
さて解説の形式は以下のようになってます。
改革についてですが、元・亨・貞・利の四徳が全てそ ろっている卦です。慎重にことを進めるならば、皆の支持を得て改革が上手くいくというものです。なお、「君子豹変 す」という言葉は、この卦の六爻から来ています。意味は悪い意味で使われてますが、本来は、良い意味です。
鼎は三本の足で支えられた煮炊き物をする道具です。 三本の足という所から、協力と安定の意味があります。なお、天子の祭器であるため権威を疑うことを「鼎の軽重を問 う」と言われます。秩序を整えるのに良いでしょう。
この卦は何事にも良い卦で、煮炊き物の用途から、素 材を磨く、トラブルを調整するなどの意味もあります。この卦から鼎がいかに大切な物だったかわかります。
震は動くこと、雷鳴などを表し、突発的な出来事であ るという特徴があります。雷鳴が轟き渡れば人はあわてふためきますが大した実害はありません。そのため、「声あって 形無し」とも呼ばれ、かけ声があっても内実が伴わない様も言います。
前触れもなく突発的に起こる出来事への対処をこの卦 は記してます。大きな物事、事件がありますが、動揺せずに自分を見失わずいれば、後に笑い事になるということです。
艮は止まることで、変化無きことから静寂とも言われ ます。動かない山であるため、軽挙妄動を慎むべきものです。協力者はおらず、一人我が道を行く心構えが必要です。地 道な努力で、自分の地位などを保つすべを説きます。
この卦は心構えについて話しています。山のように腹 を据えて地道に事を行っていくのが良いということです。困難があっても、このように腹を据えて事態を見据えていれ ば、やがて解決の糸口が見つかるでしょう。
漸は徐々に進むこと、着実に順を追って進むことを表 します。女子の結婚にも吉とあります。各爻は雁が水際から徐々に飛翔し天まで行くさまを表しています。正しい順序で 進んで事を行えば吉とあります。
女子の結婚に吉とあるのは、結婚には順番に手続きを 得てから行うもので、そのように周囲より祝福された結婚が悪い訳がないと説きます。
帰妹は若い女が結婚することですが、女性が積極的す ぎる為に凶となるものです。(易では)女性は待つべきものであり、自ら悦び動いて結婚を求めるのは邪道とします。結 婚以外にも無理や不幸に遭遇するものと考えられています。
易では男女関係を表すのに、咸、恒、漸、帰妹の4つ 卦があって、この帰妹だけが凶となっています。本来は結婚は喜ばしいことですが、バランスを欠いた結婚として扱って います。一時的なものを捨て去り、永続的なつながりを心がけましょう。
豊は盛大・豊かで、盛運であることを言います。しか し、問題があって、現状維持に力が掛かりすぎ、他に手を広げたりすることはいけないとしています。この卦では満ち足 りたものはやがては衰えるという意味も含まれていて、これを心配することなく、公明正大に行動すべしとあります。
易の理として、「窮すれば通じ、盛んなれば衰える」 とあります。良い卦なのですが、そろそろピークが来ることを示してます。それに対して、爻としては自らを守るように すべしというメッセージがあります。戦力を維持しつつ退却も視野に入れておいた方がよいでしょう。
旅は現代の旅行と違い、古代の命がけの旅を言いま す。心ならずも、住みかを追われ行く先のない旅です。見知らぬ土地の中をたった一人でてくてくと歩いて行くという卦 です。転居や転職、孤独な性格、失恋をも表します。無理して打開しようとせず、受け身で対処し、理想をしっかり守っ ていくのがよいでしょう。
良い卦ではありませんが、失意の時は得意の前兆でも
あります。苦しみが永遠に続くことはなく、やがては緩解し、また好調期に入ります。このように易は循環論を採ってい
ます。ただ嘆き悲しむだけでなく、この時期に何をすべきかで、次の好調期の質が変わると見た方がいいでしょう。 随時内容を追加修正します |
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