易の処世法 損卦~井卦 |
さて解説の形式は以下のようになってます。
損は損失、減らすことを言うが、自らを減らして他人 に与えることを象徴とします。自己犠牲であり、下から上への奉仕です。目先の利益を捨てて、未来を勝ち取ることこそ 重要です。
これは、ボランティアの卦とも言え、自らを犠牲にす ることで、他人を助けると言うものです。マリア・テレサのように一生を他者に捧げることで、世界的に認められる (益)ようになります。損の裏には益があり、決して悪いことではありません。
益とは増えるという卦で、損とは逆に上が減らして下 を増すというものです。この道が行われると上下共に大いに喜びがあります。そう言う意味で好機が到来しており、何事 も順調にいきます。過ちがあれば直ちに改めるのがよいでしょう。
益とは政治や会社に於いて、民や従業員に大いに利益 を与えるということです。とある会社では社長がポルシェを買うために従業員の残業代をカットしたということがあった と聞きました。六爻に当たり凶です。これでは、社員は上に付いていかないでしょう。会社も乗っ取られる可能性があり ます。そうならないように、下を益するのが良いとこの卦では説きます。
夬とは決断であり、切り開く・決行するを意味しま す。小人が上に居て、これを切ろうとする姿で、危険は伴う。自分の足場を固めてから決行すればよいですが、暴力を 行ってはなりません。穏便に、しかし粛々と事をおこなうことです。
決断を行うにはそれなりのリスクがあります。それ が、上位者を告発するような叫びであれば報復を覚悟するしかありません。それでも告発するのがこの卦です。このよう な時は爻にあるように「君子」が「中道」を守っていれば大きな問題ありません。勇敢なだけでは返り討ち、失敗に終わ るでしょう。
出会い、未知との遭遇をいうもので、男女の出会いもあります。ただし、遭うということは素晴らしいことです が、「女を取るに用いることなかれ」とあり、女性が強すぎる形で結婚は勧められないという注意もあります。
出会いと言っても、意図した出会いではなく、思いが けずの出会いです。それは人と人だけでなく、人と物や物同士の出会いもあります。人知を超えた大きな力が働いている ので、慎重に取り組むよう勧めています。いわばシンクロニシティかもしれません。
萃は草が集まって生えていることで、人や物が集まる という意味です。昔から「鯉、竜門に登るの象」と言われ入試や就職などの人事に良い卦です。ただし、これは天や先祖 のお陰であり、それに感謝することを忘れ自分を過信することを諫めます。また、人が集まれば変事ありと説き、君子は それに備えるようにと説きます。
万事好調の卦ですが、突発事に注意とあります。人が 集まると中にはいろんな人が居て、思いがけない事が起きるということです。
升とは登り進むことであり、木の芽が土の中から成長 していく姿を表しています。何事も順調ですが、このときの心構えとして時を得ること、謙譲と柔順の徳を備えること、 後援者を得ることを挙げています。なお、南に行けば吉といいます。
この卦は何事も伸び栄えるというめでたい卦です。会 社に例えると売り上げが上がり、支店を増やし、株式市場に上場するようなものです。こういったときに、外部からの後 援者が出てきて助けてくれます。しかし、慢心したときには凶となります。
困は易の四大難卦(屯、蹇、坎、困)の一つで困苦、 困惑、進退窮まるを表します。この時に何を言っても信じて貰えないでしょう。しかし、この困難の中から乗り越えよう とする所に人間の真価が問われると説きます。大人であれば吉です。
この困は他の難卦よりも精神的要素が強いと言いま す。圧迫感・恐怖心といったものに苛まれる状態です。この卦にあったら自らを反省し、慎重であるべきです。弁解や泣 き言は無用です。
井は澄んだ水をたたえる井戸であり、町の中心にある
変わらない物であるから継続を表します。井戸水は尽きることも溢れることも無く、誰でもその恩恵を受けます。また、
時々井戸を浚うように新陳代謝が必要です。この井戸水を汲み上げるのには釣瓶がなくてはなりません。ないと清水は汲
み上げられず腐ってしまうでしょう。
この井は、人事について語っているとも言われます。
町がどう変わろうとも、環境がどう変わろうとも、変わらず万人を潤す井戸は、大切な知恵を指してもいます。そして、
その井戸は定期的なメンテナンスが必要だと説きます。 随時内容を追加修正します |
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